男性も育児休業の取得が進むかも! 育児・介護休業法改正の内容とは?

「男性の育児休業取得が義務化される」そんな話を聞いたことがありませんか? 実は2021年6月に改正された「育児・介護休業法」では、男性が育児休業を取得しやすい職場環境を目指すことが定められました。
新しい制度によって多くの企業で、パパも仕事と育児を両立できる風土づくりが進むのではと、期待されています。

男性の育児休業が変わる!改正育児・介護休業法5つのポイント

厚生労働省による令和2年度雇用均等基本調査では、男性の育児休業取得率が12.65%と過去最高になったものの、女性の取得率が81.6%であることに比べて、非常に低いことが分かっています。この課題を少しでも解決するために、2021年6月に国会で「育児・介護休業法」が改正されました。

今回の改正では、新たな制度の創設や制度変更が行われ、早いものでは2022年からスタートします。では、大きな特徴である5つのポイントを見てみましょう!

1.産後パパ育休が新設!(2022年10月施行予定)

子どもが生まれた男性は、出生後8週間以内を対象に、4週間までの育児休業が取得可能になるもので、「男性版産休」とも呼ばれています。これまで育休は原則取得する1ケ月前までに申請をしなければいけませんでしたが、この制度では2週間前までに申し出ればOK。また、2回まで分割して取得することもできます。労使協定を結んでいれば、職場との話し合いで休業中に就業することも可能なので、今ならばテレワークなどで仕事を継続することもできそうです。

新制度
(現在の育休制度とは別に取得可能!)
令和4年10月からの
育休制度
現在の育休制度
対象期間と
取得可能な日数
子の出生後8週間以内に 4週間まで取得可能 原則子が1歳
(最長2歳)まで
原則子が1歳
(最長2歳)まで
申出期限 原則休業の2週間前まで 原則1か月前まで 原則1か月前まで
分割取得 分割して2回取得可能 分割して2回取得可能 原則分割不可
休業中の就業 労使協定を締結している場合、 労働者が合意した範囲で休業中に就業が可能 原則就業不可 原則就業不可
1歳以降の 延長 - 育休開始日を柔軟化 育休開始日は1歳、 1歳半の時点に限定
1歳以降の 再取得 - 特別な事情がある場合に限り再取得可能 再取得不可

2.育休の周知・意向確認が義務化に!(2022年4月施行予定)

企業は、研修や相談窓口を設置するなど、育休を取得しやすい職場環境を整備し、育休制度を周知して、男女問わず取得の意思を確認することが義務付けられます。これまで男性の育休は「なかなか言い出しにくい…」という雰囲気が取得を阻む課題になっていました。この意思確認は、その課題を打破するためのもので、すべての事業主に適用されます。努力義務ではなく義務になるので、怠ると労働局による指導勧告の対象になります。

3.育休が分割して取得可能に!(2022年10月施行予定)

これまで育休は原則分割して取得することができませんでしたが、今回の改正で2回までの分割ができるようになります。そのため、上の1で紹介した出生時の育休と合わせると、最大で4回に分割することができることになります。こうすることで、仕事に支障が出ない時期を選択できたり、夫婦が交代で取得するなど、さまざまな方法で取得できるようになります。

4.有期雇用者の育児・介護休業の取得要件が緩和!(2022年4月施行予定)

これまで非正規社員は、1年以上の雇用期間がないと育休が取得できませんでしたが、今回はその要件が撤廃され、無期雇用労働者と同じ扱いとなります。(ただし、雇用期間が1年未満の場合、労使協定の締結によって除外が可能)

5.育休取得状況の公表が義務化!(2023年4月施行予定)

従業員が1000人を超える大企業では、育休取得状況を公表することが義務付けられます。具体的には、男性の育児休業等の取得率、または育児休業等と育児目的休暇の取得率を予定しており、省令で示される予定です。一番の目的は、企業の意識向上と育休を取りやすい風土づくりですが、育休取得率が高いと企業イメージの向上にもつながり、学生の新たな会社選びの判断基準になるため、人材獲得にも役立ちそうです。

 

いかがでしたか? 今回の制度改正は、男性育休の普及にとって大きな一歩となり、2022年は男性育休の節目の年となりそうです。男性の育休取得は、社員が家庭での時間を持つことができるだけでなく、仕事へのモチベーションアップにもつながります。また、ワーク・ライフ・バランスが図られている企業としてイメージアップができるなど、企業にとってもメリットがあります。働くパパも企業も、今回の制度改正をしっかりと理解して、育休取得を推進しましょう!

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