建設業共育女性活躍企業

株式会社熊谷組 岐阜営業所

多様な人財が能力を発揮しWell-being が実現できる組織風土の構築を目指す

 建設業を目指す人財が不足している中、多様な人財が能力を発揮できる環境整備や女性の活躍は重要な経営課題の一つとなっています。熊谷組は、2016年に専門部署であるダイバーシティ推進室を設置し、女性の積極的な採用、定着、活躍支援への取り組みを始めました。まずは、少数派の女性の活躍を推進することにより、その先の目指すべき姿、誰もが働きやすい環境をつくり、最大限能力を発揮できることにつながると考え、全社横断型でダイバーシティ及び働き方改革を推進しています。熊谷組では働き方改革や人財の活躍を統合して推進することで価値創造に繋がる時間を創出することができ、社員力・貢献意欲の向上や社会からの信頼につなげています。

 女性も活躍できる建設現場を創出することで、男女誰もが働きやすい職場環境を整えることを目的に、2016年よりダイバーシティパトロールを実施しています。女性専用トイレ・更衣室の設備面だけでなく、建設現場内で相談しやすい雰囲気づくりといったソフト面が整っているかをヒアリングし、要望をもとに環境を改善しています。その中で、市街地から離れた建設現場の社員から緊急時に生理用品が手に入らないという声が上がり、女性専用トイレに生理用品ボックスを常備するようにダイバーシティパトロールのチェックリストを改訂しました。

 また、社内の横断的なネットワークである「全国女性土木技術者交流会」で女性特有の健康課題に関して意見交換を行うとともに、全社員を対象に性ホルモンに関する健康講演会を実施するなど、社員の意識啓発に取り組んでいます。

 加えて、2021年から不妊治療に関する制度を2つ導入しました。1つ目は男女ともに初期の不妊治療から利用することのできる特別有給休暇「妊活支援休暇制度」、2つ目は、特定不妊治療を行っている女性社員が一旦仕事を離れ、最大1年間(3回に分割可能)治療に専念することができる「不妊治療休業制度」です。制度導入に際しては、社内で不妊治療に関するアンケートを実施し、利用する側の声を取り入れています。

 継続的な取り組みにより、女性技術者も増加しています。性別にとらわれない部下の育成にもつながり、若手の女性土木作業所長も誕生しました。建設現場でも妊娠中にテレワークを利用し、出産後に短時間勤務やフレックスタイム制を利用しながら現場で継続して働くことができる環境になっています。結果的に、男性社員も両立支援制度を積極的に利用できる環境となり、子の出生に伴う男性の休暇取得率は75.6%に増加しました。

 このような取り組みにより、ウェルビーイングを実現することが、その先のイノベーション創出や業績の向上につながると感じています。

 今後は健康経営の面からも女性特有の健康課題への支援に対する取り組みと、介護離職を防止するため、仕事と介護の両立支援の施策にも力を入れていきたいと思います。

企業情報

企業名 株式会社熊谷組 岐阜営業所
住所 岐阜県岐阜市金町四丁目30番地
創業 1898年 1月
代表者 岐阜営業所長 加藤 晋平
従業員数 3人(男性  2人、女性  1人)※名古屋支店 岐阜営業所計

岐阜市内に事業所を有し、定められた基準をクリアした企業を「ぎふし共育・女性活躍企業」として認定します。