ぎふし共育・女性活躍企業認定式 記念講演レポート
『男性の育休』で家庭と職場を変える
仕事と生活の両立や男女がともに働きやすい職場環境を作り、男性の主体的な育児参画により夫婦で共に子育てを行う「共育」を推進する取り組みを行う企業や、女性がその個性と能力を十分に発揮して社会で活躍できるような取組みを積極的に行っている企業共育や女性活躍の取り組みを推進する企業を認定する「ぎふし共育・女性活躍企業」の認定式が、2月16日、みんなの森 ぎふメディアコスモスで行われました。
今回は、その記念講演として行われた「ワークライフバランス推進セミナー『男性の育休』で家庭と職場を変える」で、講師を務めたKaziプロジェクト代表の木村秀則さんのお話から、パパにも参考になるトピックスをレポートします!
自身の苦い経験から「家事シェア」を啓発!
Kaziプロジェクト 代表 ウーマン・ファースト 代表 経営心理士Ⓡ 男女脳差理解によるダイバーシティ・コミュニケーション・インストラクター |
今回、講師を務めた木村秀則さんは、「家事を家族事に」をキャッチフレーズに、家事を協力して行う「家事シェア」を啓発。家事分担を目指したコミュニケーションツール「家事見える化シート」を開発・販売するなど、男性の家事・育児参画を後押ししています。
木村さんがこうした活動を始めた理由は、ご自身の苦い経験から。木村さんは、子どもが生まれる際に育休を取らず、奥様に家事や育児を任せていました。木村さんも多忙な時期だったこともあり、奥様はいわゆる「ワンオペ( ワンオペレーション:ママが1人で家事と育児の負担を抱えている状態)」という状況でした。その結果、慣れない育児と家事をこなす中で、奥様は体調を崩してしまったといいます。その姿を見て、木村さんは自分も家事や育児に参画することを決意。他のパパママにも同じ思いをしてほしくないと、現在の活動を始めました。
男性の育休を職場や家庭での「対話」を促すきっかけに
奥様の体調不良を機に、家事や育児に参画することを決めた木村さんは、まず会社と家庭それぞれで話し合いをすることにしました。話し合いの結果、今後の仕事と家庭の両立に向けて、以下のことを決めたそうです。
- 保育園に子どもを送迎するために、就業時間を変える
- 家事・育児に参加するため、残業をやめる
- 会社でも家庭でも情報共有を強化する
1人ひとり理想とする働き方や生き方は異なります。
そのため、まずは「対話」をすることが、その会社や1人ひとりに合ったワークライフバランスを進めるきっかけになると話す木村さん。特に 「男性の育児休暇取得」は、そのきっかけづくりに最適だと話します。
また、木村さんの奥様は出産後、しばらく実家で暮らしており、木村さんは仕事のない週末に奥様の実家に通って、育児をしていました。しかし、週末だけの育児はうまくできるはずもなく、奥様もそれを見てイライラが募るなど、夫婦関係も悪化。木村さんは「そうしたことを防ぐためにも、男性が育休を取得し、ママの負担を軽減するのはもちろん、パパも早期に育児スキルを身につけることが大切」とその意義を伝えます。
産後うつを防いで、楽しく育児をするためにも「対話」を
出産後、女性は自律神経やホルモンバランスの乱れ、心のダメージなど、心身に大きな影響を受けます。そのため、出産後~3カ月は産後うつになる可能性がとても高くなります。特に初めて出産を経験する女性は、産後2週間でうつを発症する可能性がピークになり、なんと25%(4人に1人)の女性が産後うつになるといわれています。また、産後1年間はそのうつ状態が続くともいわれ、産後女性のケアは非常に重要です。
こうした状況から、パパが第1子誕生後に家事・育児に参画するかどうかは、ママが第2子を出産したいと思うかどうかにも、大きく影響するという調査結果が出ています。さらに、妻の夫に対する愛情は、出産後にグンと下がる傾向があり、その後、愛情が回復するか低迷するかは、夫が家事・育児をしっかりサポートしたかが分かれ目になるともいわれています。「男性の育休取得」は、理想の家族構成や円満な夫婦関係の構築にも関わっている、ということです。
また、男性が育休を取得したきっかけを聞いた結果を見ると、「日ごろの配偶者との会話」が最も多くなっています。このことからも、家庭でのコミュニケーションが重要だということが分かります。木村さんは「育休取得を考えることをきっかけに、夫婦の対話の機会を持ち、その家庭に合った家事・育児シェアの方法やスタイルについて考えてほしいと思います」と、パパママにエールを送りました。
いかがでしたか? 今回は、男性が育休を取得することの意義を紹介しました。
この他にも、男性の育休取得は、
- 労働生産性が上がる
- 社内で家庭の状況を共有することで、チームワークが高まる
- 急な休日に対応するため、業務を共有する意識が芽生える
- プライベートの時間が増えて、資格取得などの自己啓発や健康づくりができる
など、仕事面でもメリットがたくさんあります。
出産を控えているプレパパやパパは、ぜひ育休取得を検討して、家族や職場での「対話」をもってみてください。