イベントレポート

【 パパ大学公開講座】岐阜市に広げよう!「ワーク・パパ・バランス」


2022年10月1日、マーサ21で開催されたパパ大学公開講座では、ぎふし共育都市プロジェクトの公式アンバサダーに就任したNON STYLE 石田明さんと柴橋正直岐阜市長に加え、ぎふし共育・女性活躍企業にも認定されているアース・クリエイト(有)の岩田良代表取締役社長、地域で子育て支援を行うNPO法人グッドライフ・サポートセンターの中島由紀子理事長が登壇したパネルディスカッションが行われました。パパとママが共に育児を楽しめるまちを目指して、仕事と家庭の両立について熱く議論を交わしました!


市長/少子化や人口減少が大きく課題になっている中、夫婦が抱く理想の子どもの数が平均2.03人となっているのにも関わらず、現実は1.3人しか産めていない現実があります。このギャップの原因は一体何なのか。それを考えたことが、ぎふし共育都市プロジェクトが始まったきっかけです。国の調査では、男性の育児参画があることで2人目、3人目を産もうという夫婦が多いという結果が出ており、男性の育児参画を推進することが必要と考えました。

しかし、そこには男性側の課題だけではなく、上司の理解や育休を取りやすい風土など、企業の働く環境も大きく影響しています。たとえば育休を取得した後、ブランクがあいて社会復帰に不安を抱える人も多く、研修を行うなど職場とつながる機会を設けることも重要です。
今後は実態を調査しながら、スムーズな育休取得・職場復帰ができる環境づくりにつながる施策を実施していきたいと考えています。

働き甲斐をもって活躍できる人が増えれば、企業の成長にもつながります。誰もが「こんな生き方をしたい」という夢を当たり前にできる岐阜市を目指して、企業と一緒に「岐阜市まるごとワーク・ライフ・バランス」を実現していきたい。

石田/ 自分自身、4人兄弟だったこともあり、子どもは4人欲しいと思っていましたが、妻はそれを上回って「野球ができるくらいほしい!」と言っていました。しかし、コロナ禍で家族と過ごす時間が多くなったことで、家事や育児の負担を実感したのも事実。主婦も立派な仕事なのだから、手当などがあれば産むことや育てることをプラスに思えるのかもしれないと感じています。

自分だけでなく、周りの芸能人も積極的に育児参画している人が増えています。それに伴って、会社や職場の雰囲気も徐々に変わってきていると感じます。私自身の経験から、育休を取得した時から育児をスタートするのではなく、プレ育休があるといいなと感じました。沐浴体験など生まれる前から準備しておいた方がいいことはたくさんあり、私もそうした体験を一通りしたことで、実際に生まれてからも焦ることがありませんでした。どうせ育休を取得するなら、パパも絶対に育児の戦力になるべき。スキルを身につけるためにも、出産前にも休みを取って育児に備えられる環境があればいいとな思います。

中島/ 私が理事長を務めるNPO法人グッドライフ・サポートセンターは、20年以上にわたって地域で助け合う仕組みづくりを行い、子育て世代を中心に支援を求める人と支援したい人を結ぶ取り組みを行ってきました。また、2歳までの子が遊べる施設の運営も行っています。

最近は、積極的に子育てをしているお父さんが増え、施設を訪れる夫婦の中でも、パパが赤ちゃんを抱っこするのが当たり前になっているのを感じます。私自身、自分の両親と同居していたため、父が夫に沐浴の手ほどきをしていました。今は核家族が多く、家族間で子育ての知恵を学ぶ機会が少ないので、プレ体験はとても大切だと思います。

育休後の復帰に不安を抱えている人は多いのが現状です。しかし、育休を取っている間は、子どもとふれあえる貴重な時間。安心して子育てを楽しんでもらうためにも、不安を解消するプログラムが必要だと考えます。

岩田/ アース・クリエイト有限会社では、女性はもちろん男性も育休取得率100%を達成しています。私自身が妻の出産を機に社内で初めて育休を取得して以降、取得が当たり前の風土を築くことができています。

社内には子育て中の社員が多いため、出産時の休暇以外にも、子どもが義務教育の間は有休を無制限で取れるようにしています。周りが休んだ時も、お互いに仕事をカバーしようという雰囲気があり、社内では社員同士の仕事や家庭の状況を共有しています。

人生を考えた時、仕事と家庭の両立は生活の基盤をつくるのにとても重要です。しかし、それを実現するためには、企業が支えないと難しい点が多いと感じています。働き方改革は、中小企業が抱える課題の1つ。会社とは何かということをみんなで考え、今大事にしたいものを大事にできるような環境づくりをしていくべきだと思っています。今後も社員の子育て支援を積極的に行い、そうした事例を発信していきたいです。