イベントレポート

出産前後!ママはどうなる?パパはどうする?

2022年11月13日、岐阜市中央青少年会館にてパパ大学「出産前後!ママはどうなる?パパはどうする?」が行われました。今回のパパ大学は、これから子どもを持つプレパパ・プレママが対象。産後のパパとママを家事や育児の面からサポートする活動を行っている「産後ドゥーラ」の松原江里花さんを講師に迎え、産前・産後にママに起こる変化と、その時にパパにやってもらえたらママが喜ぶサポートについて学びました。

産後ドゥ―ラ 松原 江里花氏

栃木県出身。大学卒業後、鍼灸師資格を取得。鍼灸院に4年間勤務。2004年より岐阜在住。2005年・2007年・2011年に出産(現在17才♂15才♀10才♀)2018年一般社団法人ドゥーラ協会認定取得。認定ドゥーラとして活動して6年目。訪問サポートのほか、自宅でのオープンハウス開催やフリースクール食事スタッフの活動を通して、安心して子育てできる社会を作るお手伝いをしています。趣味は、みずあそびとオイリュトミー。

産後のママは、心も体も大きく変化していることをパートナーはぜひ知ってほしい

まず最初に松原さんが話したのは、産前産後に訪れるママの変化。産後の体は、大きなダメージを受けていて、約2カ月ほど体を休めないといけない時期だと話します。この時期は、立っているのはもちろん、座っているだけでも疲労が溜まります。また、母乳は血液からつくられるため、授乳する度、血液を抜かれているようなもの。何本もダッシュしているくらいの疲労感があるそうです。そのため「無理」と思った時には、すぐに寝られる状況をつくっておくこと、パパはママがそういった状態であることを知っておくことが大切だと話します。

心の変化については、ママに影響を与えるホルモンの話からスタート。ママの体には、妊娠準備中はエストロゲン、妊娠中はプロゲステロンという女性ホルモンが出ています。しかし、出産後は授乳できる体になるために、プロラクチンとオキシトシンというホルモンを出し、体は急激に変化。すると、その影響でわけもなく涙が出たり、イライラしてしまったりするといいます。さらにこの時期は、やさしい言葉もきつい言葉もダイレクトに心に染みるため、「パパはママがいつもと違ったらホルモンのせいだと理解し、やさしさで包んであげてほしい」と松原さんは伝えます。また出産後、赤ちゃんと2人きりでいることが多いママは、大人との会話を求めています。パパは帰宅したらママの話を聞いてあげるだけでも、心が軽くなるとアドバイスしました。

産後、夫婦でどうやって育児や家事をするべき?
まずは現状を把握して、できることや任せられることを知ろう

次に、産後の家事・育児について学ぶ際には、最初に100個の家事タスクが書かれた表にママがやっていることとパパがやっていることを色分けするワークを実施し、パパがどのくらい家事をしているかをチェック。産後は現状の家事に、赤ちゃんの分の洗濯が増えたり、ミルクをつくるなどの育児タスク、上の子のお世話や心のケア、産後のママのケアなどが加わったりするため、まずは現状を把握して、心構えを持つことが必要だといいます。何よりも大切なのは「家事も育児も1人で行うのは2人で行う数倍大変」ということを知ること。特に、沐浴は産後のママにとって体に負担がかかるため、できればパパが行ったり、2人でできる時間に行ったりと、工夫するのがおすすめだそうです。育児は夫婦どちらにとっても初めてのことばかり。そのため松原さんは、「できれば、パパには育児休業の取得を考えてほしい。パパとママの両方が関わることで、子どもも豊かに育ちます」と話します。

夫婦だけでなく周りの協力を得て、楽に楽しく共育を!

最後に、松原さんがおすすめしたのが、夫婦の仕事や実家、住んでいる地域にある行政や民間のサポートなどの情報を洗い出し、誰にどんなことを頼むことができるかを知っておくこと。こうした現状を知った上で、産後2カ月間にどのようにして余裕をつくるかが、産後を乗り切るためのポイントだといいます。

「夫婦2人だけで頑張っていると、しんどくなる場合もあります。両親や友達、地域のサポートなど、さまざまな人に協力してもらう“共育”は、育児が楽になり、楽しくなります」と、松原さんは共育の良さを語りました。